チップトレー等の特殊洗浄・クリーンスーツのクリーニングと滅菌処理

株式会社中部CIC研究所

トレイ・パーツ類の
精密洗浄

SCC

surface
contamination
controlin

パーツ類のパーティクルを徹底除去して
不良率低減に寄与します

精密洗浄の工程解説

トレイ・パーツ類の精密洗浄工程をご紹介します。
この工程をベースとして、ご要望によってあらゆるカスタマイズに対応いたします。

受入検査
お客様よりお預かりした受入品に対し、受入検査と前処理を行います。

検査内容は、受入数量・破損・汚損状況等の確認です。不具合品については、取り決めに応じ、返却か補修等の処置を行います。
受入検査の後の前処理では、洗浄品質の向上と、本洗浄時の超純水洗浄槽の汚染を防ぐ目的で、容易に拭き取れる汚れや、テープなどの粘着物、目視で確認できる異物を除去します。

なお、当サービスでは、使用済み品の洗浄の他、工程投入前の新品のトレイ・容器類の洗浄をご依頼いただくこともあります。その際は、成型不良(ゆがみやバリなど)の検出も行います。
洗浄
前処理の済んだ受入品をクリーンルーム内に搬入し、洗浄を行います。

洗浄には超純水を使用し、品物の形状や要求品質に応じて、ブラシや超音波洗浄機、シャワー等を使ってパーティクルを洗い流します。

洗浄槽は、目的別に仕切りを設けてあり、すすぎを行う場所は超純水をオーバーフローさせて、再汚染を防ぐ仕組みになっています。
不純物をきれいに洗い流した後、エアで水滴をカットし、乾燥用のキャリアに載せます。
乾燥
洗浄済み品の乾燥を行います。

CICサービスで取り扱っている衣類の場合は、回転するドラム式の乾燥機を使いますが、SCCサービスの容器やトレイ類の乾燥には、洗浄品を並べた状態のまま乾燥できる、静置乾燥機(クリーンオーブン)を用います。
この乾燥機は人が入れるほどの大きさがあり、洗浄済み品を搭載したキャリアごと格納できますので、積み替え時の汚損や破損が起きないようになっています。

乾燥機内の温度は、洗浄品の性状を損ねないよう、取り決めに沿って調整します。また、機内に流入させる空気は、パーティクル付着を防ぐために高性能フィルター(ULPA)を通し、流量と方向も管理されています。
検査

乾燥済み品に対して仕上げ検査を行います。

検査項目は、乾燥状態、破損・変形発生の有無、表面の状態確認などです。
前処理を経て、超純水と各種治具を用いた専用工程にて洗浄していますので、目視可能な異物が残留している可能性は極めて低いですが、万一を考えて目視検査を行っています。

洗浄品の形状が複雑な場合は、光学機器を使って検査を行います。
複数のパーツで構成される洗浄品の場合、パーツごとの検査の後、仕様に従って組み立てを行い、機能性検査を行います。
包装・梱包
乾燥後の仕上がり品に対し、防塵のための包装を行います。
標準的な包装は、フィルム製の袋を使い、中の空気を脱気後、口周りをヒートシールする方法にて行います。

包装の仕様は、製品の性質と、開封後の使われ方に合わせて、単品包装、複数個包装、二重包装などのパターンがあります。フィルムの素材についても、帯電防止やガスバリヤなどの機能をもたせた複数の種類がありますので、多くのニーズに対応できるようになっています。

包装作業は、洗浄・乾燥工程と同様にクリーンルーム内で行い、包装材との接触によって発生しうる静電気の影響を防ぐために、イオナイザを稼働させています。

施設・運用インフラ紹介

当社のクリーンクリーニングサービスをバックアップする側面支援要素をご紹介します。

純水製造装置
洗浄に用いる純水を確保するために、超純水製造装置システムを稼働させています。
市水や井水には、微量の無機物(塩類・重金属)、有機物、微粒子、微生物、菌類が含まれており、そのままでは当社の特殊洗浄には使えません。

これらを除去する為、活性炭ろ過→RO膜[逆浸透膜]→UV殺菌→CDI処理→CP→ファイナルフィルターというステップを経て、イオン類、TOC成分、微粒子、生菌を除去し、超純水をつくっています。
この超純水は、構内の配管を通じて、各ユースポイント(クリーンルーム内のCIC&SCCの超純水の使用場所)へ送られます。

当社の特殊洗浄サービスの品質を形づくる二大要素(水と空気)の一つを支える重要な設備です。
クリーンルーム
当社の特殊洗浄は、最初の受入検査工程を除いて、全てクリーンルーム内で行っています。

ミクロンレベルのパーティクル付着も許されない半導体製造や、細菌の繁殖が品質に影響を及ぼす製薬会社・食品加工にも見合ったスペックの清浄度(クラス)を維持すべく管理しています。
清浄度を維持する為、HEPA・ULPA高性能フィルターを通過させ、基準以上の循環風量を確保し、外部からの塵埃の侵入も防止するよう、差圧管理を行っています。
ルーム内は、塵埃の発生・付着や堆積を抑えるために、吸引式床・テーブルを備えています。また、作業要員やワークからの塵埃を侵入防止のための、エアーシャワー・パスボックス等の設備も設けています。
なお、清浄度管理の指針として、クリーンルームの清浄度規格であるISO14644-1を基準としています。
防虫等施設衛生管理
外部業者さんと協同して、社内の防虫シートを使用し日常点検を行い、防虫モニタリング調査を行っております。月単位で捕獲された虫を、モニタリングデータから現状を評価し、発生状態から駆除・対策を行います。
施設の不備や損傷部からの害虫の侵入箇所も点検して、随時対策を行っています。
ISO認証による品質管理/環境負荷管理
主要業務である洗浄工程における作業品質と、地球環境への負荷低減のために、国際規格であるISO9001(品質マネジメントシステム)とISO14001(環境マネジメントシステム)を取得しております。
登録番号:Q2225(品質) E0846(環境)
登録事務所:全社  本社 豊川工場・三重事務所・豊橋工場
登録範囲:
クリーンルーム用衣服、精密部品及び搬送ケース等の特殊洗浄

オプション解説

洗浄サービスとあわせてご利用いただけるオプションのご紹介です。

超音波洗浄
ハンドブラシ等を使った標準的な洗浄方法以外の手段として、超音波洗浄設備を備えております。
超音波を槽内の液中に照射することで、洗浄品の表面に対して、正・負の2種類の圧力を交互にかけ、キャビテーション作用を発生させ、付着物を強力に引き剥がすことができます。

洗浄機内は、通常工程の洗浄槽と同様に超純水を満たし、かつ、オーバーフローさせていますので、再付着を防ぎながら効率よく洗浄を行えるようになっています。
溶出試験/パーティクル測定
湿式表面清浄度評価法にて、試験品の表面に付着している微粒子の数とサイズ(μm・マイクロメートル)を測定する試験です。

最初に超純水にIPA(イソプロピルアルコール)を加えて満たした水槽の溶液を、液体フィルターを通して循環し、系内溶液の清浄度を上げた後、ポンプを停止し、バックグランド濃度を計測します。
次に、試料を水槽中に投入し試料表面に付着している粒子を液中に脱離させ、液中の粒子濃度を計測し、得られたデータを評価します。

当社にご依頼いただいたSCC洗浄の評価用データとしてご提供できるほか、お客様よりお預かりした試料の測定にも対応いたします。
(湿式表面清浄度評価法は東京工業大学大学院情報環境学の藤井研究室によって開発された評価方法です)